全国の歯科医療機関の半数近くが、歯を削る医療機器を患者ごとに交換せずに使い回している可能性があることが、2017年の厚生労働省研究班(代表=江草宏・東北大学歯学部教授)の調査でわかった。使い回しが7割弱だった5年前の調査に比べて改善したものの、院内感染のリスクが根強く残る現状が浮き彫りになった。

調査は、ドリルを取り付ける「ハンドピース」と呼ばれる柄の部分の管理について尋ねたもの。治療時に口に入れるため唾液や血液が付着しやすく、使い回せば細菌やウイルスを次の患者に感染させるリスクがある。日本歯科医学会の指針は、患者ごとに機器を交換し、高温の蒸気発生装置で滅菌するよう定めている。

  • どうなっているの?ハンドピースの滅菌

(以上、読売新聞2017年7月2日の記事より抜粋)

 

ハンドピースは使用頻度が高く、唾液・血液による汚染が多いものです。圧力をかけ空気と水を噴射するため、停止直後に負圧が発生し唾液や血液を内部に吸い込みます。新しいハンドピースには逆流防止装置がついていますが、それでも完璧ではありません。外側を消毒するだけでなく、内部の残留物の滅菌も必要不可欠であるというわけです。

当院では、患者さんごとにハンドピースを滅菌、交換しています。当院では、ご来院していただくみなさんに、安心・安全な治療を受けていただきたいという想いから、消毒・滅菌をはじめとする院内感染予防に力を入れています。

検査や治療の際に一度、患者さんのお口に入った器具等は、患者さんごとにすべて消毒・滅菌を行うほか、

紙コップやエプロン・トレー・注射針・注射液など、可能な限りのディスポーザブル(使い捨て)製品を利用しています。

滅菌処理は手間がかかる上、現在の歯科医療制度では十分な滅菌処理コストは算定されていないのが現状です。つまり滅菌処理は個々の歯科医院の倫理観とコスト負担にかかっていると言えます。

患者様は歯科医療器具を滅菌しているか否かは見ただけではわかりません。

しかし、当院では手間とコストがかかっても、すべての患者様に、より安全に、より安心して治療を受けていただくために滅菌機器を導入しております。どうぞ安心してご来院くださいませ。