前回の投稿の際に歯周病になる原因について、ご説明させていただきました。

歯周病が全身にどのような病気をもたらすのか、今回は関連性が高いとされる5つの病気についてお伝えしていきます。

 

①歯周病と狭心症・心筋梗塞

動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったしまったり、ふさがってしまい心筋に血液を十分に送ることができなくなり、最悪の場合に死に至ることもある病気です。
 

➁歯周病と糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つであると、以前よりいわれてきました。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという調査報告もされています。
また、最近では、以前とは逆に歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという関係も明らかになってきました。歯周病と糖尿病は、共に悪影響を及ぼしあっている関係なのです。

  • 歯周病が原因で発症する病気とは?

  • 歯周病が原因で発症する病気とは?

③歯周病と低体重児早産
妊娠中の女性が歯周病となってしまった場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。かねてより、悪影響と入れているアルコールやタバコよりも7倍近い危険率となっております。
 

④歯周病と誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を飲み込む際に、誤って気管や肺に飲み込んしまうことにより、発症してしまう肺炎のことです。正常な状態であれば、肺や気管は、咳をすることによって、体に異物が入らないように守ることができますが、高齢になってくると、嚥下、摂食の機能が低下し、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込んでしまい、その際に細菌が気管から肺の中へ入り、発症してしまいます。誤嚥性肺炎の原因の多くは、歯周病菌であると言われているため、歯周病の予防は非常に大事です。

 

⑤歯周病と骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。その多くは、女性です。骨粗鬆症の中でも閉経後骨粗鬆症は、骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲンの分泌の低下が原因とされており、歯を支えている骨(歯槽骨)ももろくなってしまうため、歯周病がより進行してしまいます。つまりこのエストロゲンが減少していると歯周病にかかりやくなってしまうのです。

  • 歯周病が原因で発症する病気とは?

  • 歯周病が原因で発症する病気とは?

  • 歯周病が原因で発症する病気とは?

こちらでご紹介した5つの病気は、あくまで歯周病がもたらす病気の一部に過ぎません。

最近では、歯周病は万病の元であるとも言われてきており、私達の生活に大きく影響を与えています。

歯周病の予防のためには、日々の歯磨きは、口腔ケアはもちろんのこと、定期的な歯科医院でのメインテナンスも不可欠です。すでに歯周病を発症してしまっている方も、治療は決して遅くはありませんので、気になった方は是非健診を受けられることをお勧めいたします。

 

【歯周病セルフチェック】

下記サイトのチェックシートをご入力いただくと、貴方の歯周病の危険度が判定されますので、是非チェックしてみてください。

https://www.sawadadc-toda.com/treatment/perio.html

 

さわだ歯科クリニック戸田

院長 澤田 尚也

 

参考/引用

https://www.jacp.net/perio/effect/

日本臨床歯周病学会

http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/microbiology/oral_infection/case.html

日本大学歯学部細菌学教室 歯周病と全身疾患